第１６１回「感動塾」尾崎行雄の魅力に触れる旅

歴史人物で最も尊敬する人物は尾崎行雄です。広い視野に基づく先見力と断行力をもち、信念に生きた稀有の政治家であり、家族を国民を人類を愛し抜いた人物であるからです。

普通選挙運動に尽力し、「憲政の神さま」と称され、東京市長時代はインフラの整備など諸改革を断行、米国の首都ワシントンに３０００本の桜の苗木を寄贈し、その桜は毎年１００万人もの人が見物に訪れる名所となり、「桜の巨人」とも称されています。

強大な権力をもっている時の総理大臣に対しても、国家国民には弊害となると判断するや、憶することなく、藩閥政治を進める桂太郎首相を気迫あふれる国会演説で痛烈に批判し、翼賛選挙を行う東条英機首相には公開質問状を送り批判しました。

暴漢に襲われたり、脅迫されたこともありましたが、信念を曲げることなく、軍国主義や腐敗政治を糺し続けました。そのぶれない政治姿勢に感動して、選挙運動を一切しないときも、伊勢を中心とした地元の人たちは支え続け、衆議院選挙連続２５回当選、６３年間も国会議員を続けました。人望の大きさは格別でありました。

戦後は、世界連邦建設に関する決議案を国会に出し、９０歳のときは、世界連邦建設同盟を創立し、初代会長にもなり、世界平和への情熱を燃やし続けました。

雅こころにも優れ、戦後、昭和天皇に呼ばれ、天皇に「狂歌をお見せしてよろしいか」と伺いをたて、「けふは御所きのふは獄舎（ひとや）あすはまた地獄極楽いづちいくらん」の歌をお見せしています。

魅力いっぱいの尾崎行雄の精神に触れるべく、私は伊勢市川端町にある尾崎行雄記念館には学生時代から折に触れて通い、東京の憲政記念館も訪ね展示を閲覧してきました。また、尾崎行雄を顕彰するとともに、各々その人ならではの「格」に「合」わす生き方を見出し、その進捗を検証する場となる「合格神社」にもお参りしています。一昨年２０１７年は、第３３１回「先人に学ぶ人間学塾」で「世界連邦創設提唱者　尾崎行雄」の発表する縁もいただきました。

尾崎行雄の魅力に触れることは、感動です。その感動を皆様方と共有し、新たな感動を創造したいという思いで、今回の「尾崎行雄の魅力に触れる旅」を企画致しました。

案内は尾崎咢堂記念館館長の奥本謙造さまと記念館建て替えの中核的役割を果たされている皇学館大学教授の田浦雅徳先生にお願いいたしました。感動あふれる一日となると確信しています。存分にお楽しみください。